「おんな城主直虎」がものすごい夢小説だった

「直虎」、第36回「井伊家最後の日」を観て、あまりの衝撃に呆然としていました。18時のBS放送を観てしばらく大混乱して、ようやく落ち着いてきたのでこの衝撃をしたためようと思います。まだ動揺おさまらないし勢いのままに書いているので、読みづらい文章になっていると思います、すみません。

 

言いたいことはタイトルの通り、「おんな城主直虎」が最高によくできた夢小説だったという話です。いやちょっと誇大表現した。「直虎」のストーリー自体は夢小説ではないし、もちろん夢小説でないことも理解しています。タイトルを正しく表現すると、「『おんな城主直虎』に登場する龍雲丸がものすごい実質夢主だった」になります。

 

これはわたしが、夢小説という視点からドラマの感想(というか龍雲丸について)を叫ぶ記事です。あと夢小説やそれに類するものへの愛も叫んでます。

 

で、「直虎」第36回の放送で、龍雲丸と直虎が、結ばれました。書きだしても信じられないぞこれ。オリキャラの龍雲丸と、大河ドラマ主人公の直虎が、結ばれた。
食後のお茶を飲みながら呆然としてしまいました。だってこんなの、夢小説じゃん!関係性が明らかに夢小説じゃん!!龍雲丸、夢小説の主人公じゃん!!二人の関係性がわたしの好きなモノすぎます!!

夢小説とか夢主とかの言葉を簡単に解説いたしますと、
・夢小説……二次創作において、原作にはいないオリジナルキャラクターを原作世界に投入し、原作キャラや原作世界との関わりを描くもの。恋愛要素を含む作品が多い。
・夢主……夢小説で話の中心となるオリジナルキャラクター。多くの場合名前が任意に変更でき、読者自身の分身・アバターとして扱われる場合もある。
というかんじ。夢小説というのは定義が個人に依るところが大きく、非常にあいまいな創作形態なので、上に述べたものはあくまでもわたしの考えですが、まあ大体こんなかんじなんです。

そんでもって、わたしは夢小説という創作を愛しているのですが、特にその「構造」を愛しています。原作という既存の関係に、夢主という外からの来訪者が関わり、既存の関係に変化をもたらす……そういうお話や関係性の「構造」が、たまらなく好きなのです。

 

そんなわたしから見れば、龍雲丸はかなりめちゃくちゃ夢主でした。出てきたころから「こいつ夢主っぽい」と言っていましたし、酔った直虎が龍雲丸に「我のものになれ!」と絡んだときはあまりにツボすぎて悶絶しました。龍雲丸、どう見ても直虎相手の男夢主でした。最高ですありがとう。NHKありがとう。脚本家さんありがとう。

 

大河ドラマ、史実に記されていない人物としてのオリキャラは、そう珍しくもないとおもいます。龍雲党の面々は明らかにオリキャラですし、史実に名前や詳細が記されていないという意味でなら、脇役の農民さんとか女性の方々とかもある意味オリキャラともいえるのではないでしょうか?
それでも、龍雲丸だけが突出して「夢主」なのは、やはり龍雲丸が直虎と関わりを持ち、直虎に影響を与え、既に構築されていた井伊の関係に変化をもたらしていたからだと思います。
夢主というのは原作の外にある立場、つまり部外者や異邦人であり、新しい視点から切り込める特権をもっているとわたしは考えています。わかりやすい例だと、テニプリの夢小説でよくある(といわれる)パターンの、女の子にキャーキャー言われているキャラになびかず、キャラから「面白い女だ」と言われるやつ。あれは「キャラになびかない」という新しい視点を持っているのが夢主の特権なんですね。まあそういう役割というか。
その点龍雲丸は、やはり特権を持っているように見えました。特に「武家こそが泥棒」だと直虎に言えるのは、原作(井伊)の外にいる夢主(龍雲丸)だからこそでしょう。
直虎からすれば価値観を覆されかねない一言、正直龍雲丸こそ「面白い男」です。夢主すぎる。ありがとう龍雲丸、ありがとう脚本様。


あとはこう、絶妙なつかず離れず感が、上品な原作沿い夢小説っぽさを演出していましたね……!あまり原作に介入しすぎる夢主は読者から疎まれがちな印象なのですが、その点龍雲丸は良い塩梅の距離を保ち、関係を築き、直虎を振り回し直虎に振り回されてました。夢主として優秀すぎるぞ龍雲丸。
そして今週ついに、直虎と結ばれました。夢小説に恋愛要素は必須ではないですが、やはり恋愛が絡むとぐっと夢小説感は増しますね。しかも、直虎の名を訊くという、おとわを知らない龍雲丸だからこその特権を駆使して!脚本が巧みすぎます!今後夢小説書くときの参考にしよう!


「直虎」の感想をツイッターで見ていると、「夢小説みたい」という感想をときどき見かけます。「直虎が夢小説の主人公みたい」というものも。おそらく主人公の直虎が周囲の男性陣から慕われる様子が夢小説の主人公のようだということなのでしょう。それもまた一つの解釈ですが、わたしにとって「直虎」での「夢小説の主人公みたい」なキャラクターは、断然龍雲丸です。
夢小説をお好きでない方がある作品について「夢小説みたい」とおっしゃるとき、残念ながらあまり良い意味の表現でないことが多いように思います。批判したりけなしたりする意味で「夢小説みたい」と言われることがあります。
 わたしは夢小説が大好きですし、「夢小説みたい」な作品も大好きです。なので、「直虎」についても褒め言葉として「夢小説みたい」と言います。龍雲丸は丁寧に描かれた実質男夢主で、直虎との関係は夢小説みたいで最高です。

 

わたしのように、実質夢小説な作品を愛でる方には、是非「おんな城主直虎」を観ていただきたいですし、龍雲丸と直虎の関係性が好ましく思えた方には、是非お好きなジャンルの二次創作夢小説を探して読んでいただけたらいいなと思います!!

 

結局布教に行きついてしまいました!!とにかく今週の「直虎」が最高で、龍雲丸が最高でした!来週からまたしんどそう!強く生きよう!!

 

 

それはそれとして、私は傑山さんお相手のBL夢小説が読みたいです。